「いま会い」と聞けば、見たり読んだりと言う人がたくさんいると思います。市川拓司さんのベストセラー小説「いま、会いにゆきます」。竹内結子さんと中村獅童さん主演で映画化されたのは2004年。
今回ご紹介するのは、昨年、韓国で映画化され大ヒットを記録した新たな「いま会い」!『Be With You ~いま、会いにゆきます』。
主演は、ドラマ「ごめん、愛してる」のソ・ジソブと、映画「私の頭の中の消しゴム」のソン・イェジン。ファンタジックな美しさと、現実の力強さを絡めた、引き込まれる脚本になっています。
ソ・ジソブは今やトップスター。ファンイベントでもたびたび来日し、日本のファンに長く愛されている役者さんの一人です。イ・ジャンフン監督さんに「彼が主人公を演じると決心した日が、我が人生最高の日だった」と言わしめています。ソ・ジソブという俳優が、主人公のウジンをどう演じるのか、全く予想できなかったそうです。まさに、ファンにとっても同じ期待が高まっています。
これまで、人生のどん底を歩く役柄から、裏社会をテーマにした作品などドラマ、映画と孤独な役が多かったのですが、 今回は、初の父親役!!。家族の日常を見せてくれます。
そして、愛する人が天に召されても、心は共に未来を歩んでいく、、、普遍的な愛のメッセージが詰まっています。
生前の幸せな生活を想像させる絶妙な写真や家具が置かれ、小さな台所に立つ父と息子に次第に感情移入。今日は目玉焼きちゃんと出来たの?なんて心配をしながら、家族の幸せを願わずにはいられません。
実際の撮影現場では、ジソブさん自らアイデアを出し、現場が混乱した際には、監督に取って精神的にジソブさんが頼りになったとか。現場がトラブった時、トップスターだと周りが気を使うところ、さすがジソブさんです。
この世を去って、戻ってきたスア。戸惑いながら、変化していく姿は、ソン・イェジンの可憐なルックスと、「ねえねえ、私とあなたとのなれそめ教えて」という好奇心。 生前の妻と違うキャラクターを見せながら、甘える息子に答える母性を見事に演じています。
サイドで支えるキャストたちも素晴らしく、見所はエンディングまで続きます。そんな中フレッシュ光を放つのは、ウジンとスアの息子、ジホを演じた新人子役のキム・ジファンくん。まあるい笑顔とちょっとぽっちゃりが可愛いです。ソ・ジソブさんとの親子シーンがとっても多いのですが、驚くほど自然でした。
一言で泣かせる子役と違って、普通に楽しそうでした。運動会のシーンは、本当に泣いてしまったのでは?と思う自然な表情を見せます。プロフィール紹介によると、演技の経験がほとんど無いのに、その輝きで監督に選ばれたそう。 他にも、ここに、この人気俳優が出てるのね、というサプライズもたくさんあります!
何と言っても原作は、市川拓司さんの代表作「いま、会いにゆきます」。ヒロインのモデルは、ご自身の母と妻とのことで、原作者の市川さんは今回の韓国版に寄せて「母性の強さと慈愛を、ソン・イェジンさんが見事に演じきってくださっています。 いまは亡き母さんに教えてあげたい」とおっしゃっています。実話から生まれた小説だからこそ、大切なエピソードが詰まった作品。
雨の映像が美しいんです。
韓国のエンターテインメントが、撮影場所、色、自然、メインとなる雨の日をどんな映像で見せるのか、日本版に慣れ親しんだ私たちには気になるところ。さらにオーケストラの演奏が上品に添えられていきます。 特に主人公ウジンの家は作品のイメージの大半を表す大切な場所と成っていて、愛する人と共に雨音や雨粒を感じる縁側がとってもいい。
この作品がデビュー作となるイ・ジャンフン監督は、8年前に原作小説に出会い、その時流した自身の涙脚本も手がけた愛の物語に仕上げています。さらに、家族の暮らしを、ユーモアを大切に、描いているほほえましい作品です。(tomon)
Be With You 〜いま、会いにゆきます~
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配給:クロックワークス
公開日:4月5日(金)シネマート新宿ほか、全国ロードショー