アース:アメイジング・デイ  #1

 前作『アース』から10年。その10年の間に、撮影技術は目覚ましい飛躍を遂げました。今回の映画「アース アメイジング・デイ」は、製作期間3年、撮影箇所は22か国、撮影チーム100人に、ドローン200台を駆使、さらに、ドキュメンタリーでありながらストーリー性豊かという作品づくりの担い手として、監督には、BBCのドキュメンタリー『ヒューマンボディ』シリーズや『宇宙(そら)へ』などで評価の高いリチャード・デイルと、『真珠の耳飾りの少女』や『ハンニバル・ライジング』などのピーター・ウェーバーを迎えました。


 最新の4K技術や超軽量カメラにより、動物たちと一緒にいるかのような錯覚に陥りそうな、彼らのありのままの姿、自然な動きが撮影されました。自然に圧倒されるのではなく、自然に抱かれる生物たちを超身近に感じ、まるで生き物たちの気持ちになれるのです。


 例えば、大型ドローンにより撮影に成功したのは、中国の岩壁に生息するサルの家族! 絶滅寸前とされる、神秘的な美しいサルはなぜ危険この上ない岩壁で暮らすのか? その秘密に迫るべく、空中撮影にて初めて撮影されました。親子の人間そっくりな彼らの表情を見たら、絶滅しないでほしい、守りたい気持ちが溢れてきます。
本作は、中国で全編が公開される初の国際的なネイチャー・ドキュメンタリーでもあります。プロデューサーも、これまで世界を語るときに含まれていなかった「中国」の存在を大切だと言っています。この中国の参画により、お馴染みのジャイアントパンダの愛らしい映像が撮影できたことはもとより、前述の通り、あの白い頭のハクトウラングールが岩壁を移動する姿を国際映画の中に初めて捉えることに成功したのです。

 カメラは日の出から日の入りまで、一日の太陽の動きを軸に、動物たちの毎日を追っていきます。
 朝になれば私たちが太陽の光で目が覚めるように、世界の至るところで人間以外の命も目を覚ます。今さらながらそんな普通のことに気づかされます。早朝のガラパゴスではウミイグアナが太陽エネルギーを吸収する。赤ちゃんイグアナたちが地上にやっと出られる、その瞬間を狙って、すごい数のガラパゴスヘビが命を狙う。太陽が上ると、アフリカではサバンナシマウマの群れが移動し、生まれたばかりの子供も、ワニやカバやハゲワシが注視する中、激流の川に果敢に挑みます。赤道直下のアフリカでは、獣たちも無気力になるほど灼熱の太陽が照りつけますが、キリンはオス同士の死闘を繰り広げ、シマウマはチーターに追いかけられる。一方、その暑さもピークを越えた昼下がり、南米の熱帯雨林では、人間の親指ほどのラケットハチドリが花の蜜を求めてせわしなく動き、さらに小さな体のハチと闘いますが、そこに思いがけない助っ人が登場。そして太陽が沈めばまた、ロリスやコウモリ、ハイエナ、フクロウが動き出す別世界に…。こうして世界の各地でタイトル通り、驚く日々が待っているのです。

#2に続く